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浜岡原子力発電所見学会(報告)


放射線環境・安全カウンシル(RESC)では会員および会員の紹介が得られた市民を対象にした浜岡原子力発電所見学会を開催しました。
この見学会には34名が参加しました。

なお、この見学会は、経済産業省資源エネルギー庁より委託を受けた一般財団法人日本原子力文化財団の協力を得て実施しました。

(文中の写真などは中部電力提供の資料から抜粋したものを使用しています)

1.実施した日  平成261221日(日)

2.見学先 中部電力(株)浜岡原子力発電所

       静岡県御前崎市佐倉5561

    


3.見学会当日の発電所の状況

浜岡原子力発電所はBWR型原子炉5基を所有する発電所で、12号機は廃止措置中であり、345号機は点検と地震・津波対策工事、シビアアクシデント対策工事などのため運転停止中であった。

4.見学の内容

(1)原子力館内の見学

@概要説明

中部電力より、発電所の概要と現在実施中の安全性強化対策(地震・津波対策、電源と冷却水の増強、防災対策など)について説明を受けた。

A 館内展示物などの見学

原子力館の担当者の案内で、3号機原子炉の実物大の模型、海抜22メートル高の防波壁や放射線しゃへい壁の厚さ模型などを見学するとともに、海抜61メートルの展望台から発電所構内や前面海域などを一望した。

           

        -原子炉の実物大模型-     -実物大防波壁模型-

(2)浜岡原子力発電所の見学

@ 5号機の見学

中央制御室および原子炉建屋最上階(
R/BF=燃料交換フロア)を見学用ギャラリーから見学した。

Fは原子炉圧力容器が解放された状態であった。

そのため、使用済み燃料プールや燃料交換機のほか、原子炉の上部スペースの水張り状態や、通常は原子炉圧力容器内にある湿分分離機、蒸気乾燥器、および原子炉圧力容器と格納容器の上蓋など見学機会のほとんどないものを見学することができるという幸運に恵まれた。


A安全性強化対策工事の見学

安全性強化対策工事のうち発電所建屋周辺および高台で行われている工事の状況を見学した。

見学した主なものは次のとおりである。


  (参考) 浜岡原子力発電所の津波への備え

  ―敷地内への浸水防止対策― 

      


  @防波壁および改良盛土

      

津波による敷地内への浸水を防ぐため、海抜22メートル、総延長 約1.6Kmの防波壁と両端部付近の海抜2224メートルの改良盛土の設置状況を見学した。

 A溢水(いっすい)防止壁

海底トンネルで海とつながっている取水路から海水が流入しないようにするための取水槽の周囲に高さ4メートルの溢水防止壁の状況を見学した。

  
   



  ―建屋内への浸水防止対策―

        

 @強化扉などの見学 

原子炉建屋を中心に、防水扉の水密扉への取り換えと強化扉の新設などにより扉を二重化し建屋の防水構造が強化されているが、建屋外部から強化扉(厚さ約1メートル、重さ約40トン)の設置状況を見学した。

    
       

             強化扉(左:外側         右:内側)

 A緊急時用海水取水ポンプの設置状況(収納建屋外観)
 
既設の海水取水ポンプと同等の機能を有する緊急時用海水取ポンプと地下水槽を有する防水構造の建物の外観を見学した。

 ○高台のバスによる周回

ガスタービン発電機(海抜40メートルに6台設置)及び地槽30メートル)設置工事が行われている高台をバスで周回した。

    
 


工事現場は見学できなかったが、高台の専用駐車場に電源車、可搬型注水ポンプなどが数台駐車しているのを見学した。

5.感想

発電所構内の見学は、あらかじめ浜岡原子力発電所から許可された者に限られ、通常は一般の見学は厳しく制限されている。今回はRESC会員を中心にRESC会員が紹介する者に限って見学を実施することができた。

見学当日も身分証などによる本人の確認、金属探知機による携行品検査の実施、原子力館の一部を除き写真撮影の禁止、携帯電話などの持ち込み禁止を経験した。

今回の見学会は、参加者の多くに、「普段はなかなか見学できない施設を見学する機会が得られたいへん有意義だった。」との意見が認められた。

また、実際の原子力発電所の施設と行われているいっそう強化されつつある安全対策の実際を身近に見ることで原子力発電に対する不安がやや解消できたと言われる方が多く認められた。


     


  原子力館内にて
     


     

      RESC幹事

      
 
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