「放射線・環境安全カウンシル中部電力浜岡原子力発電所見学会印象記」(報告)
|
令和6年11月27日NPO活動の一環として会員と一般市民併せて10名の参加を得て中部電力浜岡原子力発電所を見学した。正午にJR掛川駅前に集合し、発電所側によりチャーターされたバスに乗って小1時間して、発電所の正門脇にある浜岡原子力館へ到着した。以降、発電所の職員ガイドで施設を見学した。
まず、浜岡原子力館にて発電所の現況について説明をうけ、展望台からは発電所全貌と洋々と広がる太平洋を眺めた。続いて構内に入って防波壁、新規制基準対策施設、浜岡5号機中央制御室、見学者ギャラリー等を訪れ、最後に失敗に学ぶ回廊にて過去の全てのトラブル歴をたどる損壊物や資料を見た。第一印象は、今後起こるかも知れない大震災、それに伴う巨大津波対策の防波壁である。これまで巨大津波を想定して高さT.P.(東京湾平均海面)+22m、延長1.6kmの防波壁が完成したが、更なる巨大津波を想定してさらに6mかさ上げをすることとなった。現在、再構築を準備中というがこれも巨大な土木工事である。勿論、3基の原子炉の再開に向けて防災対策も進めていると聞いた。これからも続く施設安全対策に立ち向かう関係者の苦労が思い浮かぶ。先の見えない世界的な二酸化炭素削減やエネルギー資源など深刻な課題が山積している中で安全安心を叶える原発の再開が待ち望まれる。帰途に就く頃、西の空が夕焼けになっていた。いつ起きるとも知れぬ大震災という悪夢から解放される事を願って見学地を後にした。今回の見学会を手始めに、カウンシルとしてこうした施設見学会の機会を計画できれば有意義に思う。
(放射線・環境カウンシル理事:宇田達彦) |
|