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講演会「放射線を考える市民の集い」(報告)


放射線環境・安全カウンシル(RESC)では、市民を対象にして講演会「放射線を考える市民の集い」を開催しました。一般市民の参加者は26名でした。

講演会では、はじめに「放射線の基礎」について、放射線環境・安全カウンシルの会員から簡略な紹介がありました。続いて、NPO法人HSEリスク・シーキューブ代表で東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員の土屋智子先生から「放射線とリスク・コミニュケーション〜市民と専門家の役割〜」について講演がありました。その後に座談会「私も一言」が開催されました。

なお、この講演会は、経済産業省資源エネルギー庁より委託を受けた一般財団法人日本原子力文化財団の協力を得て実施しました。

以下に、簡略に当日の状況を報告します。

1.参加者:一般市民26名、RESC世話人6名、講師1

 一般市民参加者の大半は中高齢者で、男性と女性の割合は、ちょうど半々であった。

2.日 時:平成27112日(月)13:30 〜 17:00

3.会 場:ウィンクあいち1207

4.当日のスケジュール

  13:30 RESC理事長の挨拶

  13:35 オープニング講座:「放射線とは?」下 道國RESC会員

  14:00 講演:「放射線とリスク・コミニュケーション〜市民と専門家の役割〜」土屋智子
      NPO法人HSEリスク・シーキューブ代表

  15:30 休憩

  15:50 座談会「私も一言」参加者と土屋先生・RESC会員との座談会

  16:45 終了

5.概要

(1)オープニング講座 

日常生活における放射線の状況と放射線の利用状況に始まり、放射線・放射能・放射性物質の違い、物理学的な基礎事項である放射線の種類と透過能力、距離と減弱、半減期と単位から、放射線の人体への影響とリスクの考え方、および自然放射線について、放射線の知識がない人を対象とした説明がなされた。

(2)講演

これまであまり馴染みのないリスクについて、リスクの歴史的由来に始まり、リスクの意味合い、リスクの認知に関する内容の詳しい説明がなされた。続いて、リスク・コミニュケーションの事例、さらに行政・科学者と一般公衆との認識の違いが、わかりやすイラストで説明された。リスク・コミニュケーションで大切なこととしてとして強調されたのは、対話、共考、協働の3点であったが、普段聞きなれない「共考」、「協働」という新しい概念の紹介が新鮮であった。また、民主社会における行政府の消費者に保証すべき権利、特に知らされる権利の重要性なども述べられた。最後に、リスク・コミニュケーションで最も大切なのは、「お互いに対等の立場で話し合い、理解し合うということ」で締め括られた。

(3)座談会

座談会は、田宮正RESC会員の司会の下にはじめられた。多くの一般参加者から「私も言いたいこと」が述べられることが期待されていたが、質問が多かった。土屋先生の具体的な活動状況への質問では、住民の声を聴きながらやっていることを述べられた。福島県における甲状腺検査の状況に関する質問では、西澤RESC会員が自身の過去の経験を交えた説明があった。そのほか、参加者からもリスコミは現場の経験からすべきとの意見や、放射線利用や原発再稼働についてもさらに聞きたいといった意見も出された。最後に、橋本弘士RESC会員から、昨年末の浜岡原子力発電所の見学を踏まえて、同発電所の現状が説明された。

6.感想

一般市民を対象としたこのような講演会は、RESCとしては初めての試みであったが、参加者は熱心に聴講され、有意義であったと感じた。講演会は、祭日(成人の日)の午後の開催であったにもかかわらず、若い世代の参加が少なかったのは、少し残念であった。今後も、このような活動を続けていく意義は見出されたが、さらなる工夫も必要であろう。

講演会のスナップ写真


     

              写真1 飯田RESC理事長の挨拶

     

           写真2 RESC会員による「放射線とは?」の説明

      

               写真3 土屋先生の講演(1)


  

               写真4 土屋先生の講演(2)



 
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